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新型コロナウイルスが導く
第2のリーマンショックとは
新型コロナウイルス問題が不動産ビジネスに影響をおよぼしつつあります。
コロナで止まった国内の不動産市場
キッチンやバス・トイレといった住宅設備の部品が海外から調達できずに現場が動けず施行がストップしたり、モデルルーム閉鎖に伴って営業現場も動きが取れない状況になっています。
不動産金融においても同様に、各金融機関がコロナ対応の緊急融資が優先していることで、不動産事業会社に対するプロジェクト融資の遅れや否認も目立ち始めました。2020年3月中に何とかギリギリ融資が実行できた案件はまだ良かったのですが、4月に入り状況は一変したと考えてよいでしょう。
特に目立つのはインバウンドを想定したホテル案件です。プロジェクト融資は完全にストップしてしまい、完成したばかりのピカピカのホテルが運営会社もつかないまま放置されています。建築中のホテルも工事がストップしている現場が出始めたようです。
住宅ローンが払えない!
影響はプロの不動産事業者だけにとどまりません。
コロナ問題で会社から解雇されたサラリーマンや収入が極端に減少した自営業者が続出しています。これからは住宅ローンの返済不能者も急増することは疑う余地もありません。せっかく手に入れたマイホームもローンが払えずに泣く泣く手放す人もでてくるでしょう。
各金融機関も住宅ローン返済の猶予やリスケに柔軟に対応する姿勢を見せていますので、今後の動向を注視したいところです。
日本国内の金融機関は良くも悪くも横並びで公共的ですから政府の顔色を見ながら救済措置に応じてくれるかもしれませんが、海外に目を向けてみると状況は一変します。
コロナで変貌する世界の不動産事情とは
アメリカでは日本と異なり、住宅ローンを貸し付けた住宅ローン会社は、利益確定と貸し倒れリスクを回避するために住宅ローン債権を民間の投資銀行に売却します。債権譲渡を受けた投資銀行は、同じような住宅ローン債権だけを何千本も束にし、ネギのみじん切りのようにスライスして世界中の金融機関やヘッジファンドに売りつけます。
いわゆるモーゲージ証券・資産担保証券(MBS)といわれる金融商品です。もしも住宅ローンの返済が滞ったり、担保不動産の価格が下落してしまうと、MBSの価値は下がってしまいます。2008年のリーマンショックの引き金になったサブプライムローンもMBSの一種ですので、「ああ、例のやつね!」とピンとくる方も多いと思います。
リーマンショックを超える?
アメリカ国内でも失業にともなって住宅ローンが払えなくなる人たちが激増するでしょうし、ここ数年の住宅バブルがはじけて不動産価格が一気に下落することも確実でしょう。そうなると金融商品として世界中にばらまかれたMBSの価値も大きく下がることになります。
いつか来た道といいましょうか、リーマンショック並みか、あるいはそれ以上の信用収縮につながるかもしれません。
恐ろしい時代が近づいてきているような気がしてなりません。
しばらくはアメリカの不動産金融の情勢から目が離せません。