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物流倉庫は現代の百貨店か?
Eコマース時代の買い物プロセスとは

スマホで買い物

デパートが輝いていた時代
私が少年だった頃、買い物(ショッピング)は特別な日のイベントでした。
隣り街の〇〇デパートに行くと、近所の商店には置いていないような高級品が並んでいます。どれもみな選りすぐりの品ばかりで、子供ながら眺めているだけでワクワクしてきます。昇りと下りが交差するエスカレーターも特別感満載で、用もないのに上がってみたり下がってみたり。
館内は普段よりもおしゃれをしている家族連れでいっぱいでしたし、デパート周辺にも様々な専門店や飲食店が軒を連ねていました。どこの街の中心市街地も本当に賑わっていたことを思い出します。

ところがいつの頃からでしょうか、大規模な郊外型ショッピングセンターにお客を奪われるかたちでデパート・商店街文化も次第にすたれていきます。以前は賑やかだった商店街にはあちこちでシャッターが下りた光景が見られるようになってしまいました。
いわゆる「中心市街地の空洞化」という問題ですが、地方経済の衰退には今なお歯止めがかからず、深刻な社会問題になっています。地方出身者の私としてもとても気掛かりなテーマです。

イーコマースの台頭
そして今、勝ち組であったはずの郊外型ショッピングセンターにも次第に淘汰の波が押し寄せてきています。少子高齢化や慢性的な人手不足といった要因も挙げられますが、何と言ってもEC(イーコマース)の急速な普及によって、状況は大きく変わりつつあるようです。
人々は明らかに買い物に行かなくなっています。買い物自体はしているのですが、店舗に行くことも、実際の商品を見て選ぶことも、レジに並ぶことも、購入した商品を持ち帰ることもしなくなりました。
すでにアメリカではEコマース台頭の影響でショッピングモール来場者数が激減しており、ピーク時の50%以下に落ち込んでいるという驚くべき統計もあります。2022年までに全米小売業の4分の1が閉店になる可能性があるとの試算もでているほどです。「アメリカは日本の10年後」と言われますが、いずれ日本の小売業も大きな淘汰が進んでいくことはどうやら必至のようです。

買い物は物流倉庫で
これまでのショッピングセンターに代わるもの、それは大型の物流施設です。
以前は流通倉庫といわれ、一時的に商品を保管して配送するための施設という印象でした。ところがEコマースの急拡大にともなって、翌日配送、送料無料が当たり前になりましたし、消費ニーズの細分化によって商品数が圧倒的に増えてきたのです。その結果、効率化やコスト削減が進み、すべての商品物流がコンピュータで一元管理される時代になりました。
Eコマース時代の物流施設では、商品の保管と配送だけにとどまらず、在庫管理から不良品回収、写真撮影や組み立て作業までもが内製化できるようになりました。もはやただの流通倉庫ではなくなってきているのです。

いま私たちはスマートフォンひとつで、いつでもどこでも買い物ができるようになりました。レジに並ぶことも電車で商品を持ち帰ることもなくなりましたが、スマートフォンの画面を通じて物流施設の中の商品をちゃんと手に取って選んでいるのです。
物流施設こそ、まさに現代のショッピングセンターといえるのかも知れません。

 

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