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コンパクトシティHUKUOKA
ギグ・エコノミーの聖地となるか
数年ぶりの福岡は活気に満ちていました。
街には外国人観光客があふれ、建設現場があちこちで進行しています。特にホテル建設ラッシュの密度感でいうと東京都心部並みか、あるいはそれ以上と言ってもよいかもしれません。
福岡は支店経済を背景として発展してきましたが、2011年に九州新幹線の博多・鹿児島ルートが開通してからは、ビジネス・観光の要衝地としての存在感が更に高まりました。
また、福岡空港には香港・上海・シンガポールといったアジア主要都市への定期便が毎日就航し、博多港にはプサン定期便や世界各国からの外航クルーズ船が毎日入港してきます。
まさに国内からみると九州の玄関口、アジアから見れば日本の玄関口です。このような希少な立地と交通利便性を考えると、中心市街地の地価高騰もいたし方ないのかもしれません。
福岡の魅力はよく食べ物の美味しさや人情の豊かさ、女性の美しさなどで語られますが、わたくし個人的には住みやすさを筆頭に挙げたいところです。
ひと言で住みやすさと言っても独身層なのかファミリー層なのかによっても違いますが、まず物価の安さについては特筆すべきものがあります。
そこらへんの定食屋に入っても安くて美味しいのは当たり前で、驚くほどハズレがありません。
それと何と言っても家賃が安いこと。博多区や中央区といった中心部を外せば、南区や西区では2LDKの家賃相場で7万円前後と本当にリーズナブル。もし9万円の予算があれば3LDKを借りてもお釣りがくるはずです。東京本社からの転勤族たちは、皆さんまずこの家賃の安さにびっくりします。東京都心部でワンルームを借りる家賃で3LDKに住めるのですから!
もうひとつ、住みやすさを語るうえで外せないのが「コンパクトシティ」であるという点です。
博多の市街地ではオフィス、商業施設、飲食店、宿泊施設といった都市機能のすべてがおよそ半径2km圏内に集中しています。ビジネスを効率的にこなしながら、同時に自由な余暇の時間においても移動のストレスなく享受することができる、まさに理想的な都市なのではないかと思います。
最近の働き方の形態として、インターネットを通じて単発的な仕事を請け負う「クラウド・ワーカー」や、必要な時に必要な期間だけ働く「オンデマンドワーカー」というワーキングスタイルが一般化しつつあります。主にIT関連、デザイナー、ライターといったいわゆるクリエイティブ系の人たちですが、こういった専門性をもったフリーランスの人たちはいつでもどこでもインターネット上で繋がることができます。ひとつのプロジェクトのためにネット上で知り合ったフリーランス同士が労働力を融通し合う「ギグ・エコノミー」という独自の生態系も存在します。
こういった働き方が一般化してくると、もはや東京のような大都市圏に居住する必要はありません。どこに居ても必要な時に必要な期間だけ労働することが可能になっているわけですから、家賃や物価の安いところが良いのは当然の理屈です。そこに利便性の高い都市機能が備わっていれば申し分ないでしょう。
効率的に仕事をこなし、空いた自由な時間で人生そのものを楽しむ。
都市の利便性と物価の安さ、そして周りを自然に囲まれた福岡こそ、まさにギグ・エコノミーの舞台にふさわしいのではないかと思います。
福岡は政令市の中でも人口増加率、10代20代の若者人口比率ともにNO.1だそうです。もともと音楽やファッションといったクリエイティブな面での土壌もありますので、これからますますそういった世界で活躍するフリーランスの若者(親不孝者?)たちが集まってくるかもしれませんね。