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親族間の共有名義不動産
トラブルを解決するには
相続などが原因で、ひとつの不動産が親族間の共有名義になってしまう場合があります。
例えば親からの相続によって兄弟3名(各3分の1ずつ)の共有名義になってしまうケースなどです。固定資産税などコストの分担方法や、賃貸収入がある場合の分配方法など、「まあとにかく面倒くさい」というのが共有者の皆さんの本音でしょう。
「いっそのこと物件を売却して皆で分配したらどんなにすっきりすることか!」とか、「わたしの持分を兄さんが買い取ってくれないかな?」と考えるのは自然なことだと思います。ところが売却するとしても共有者全員の同意が必要となりますし、共有者のうちの誰かに買い取ってもらうにも資金調達の問題があります。対象物件に長年居住している共有者はなかなか売りたがりませんし、各共有者の経済状況にも違いがあるでしょう。実際には一筋縄ではいかないものです。
最も厄介なのは共有者同士の人間関係がうまくいっていないケースです。実際、当社にご相談に来られる中にも「感情的になって話し合いがつかず、もう何年も堂々巡りをしている」とか、「話し合いのテーブルにすら着いてもらえない」という悩みを持つお客様はけっこういらっしゃいます。
このように互いの感情がこじれたケースにおいても、私たちが親族間の間に入って解決方法をご提案することで、余計な感情が入らずに淡々と進むことも度々経験してきました。私たちは対象物件の特性や市場性、各共有者の価値観や経済力といった個別要因にフォーカスし、最善の解決方法を模索してまいります。不動産の共有名義の問題でお悩みの方は、どうぞお気軽にハーキュリーズ・リアルティにご相談ください。
ご参考までに、4つの代表的な解決方法をご紹介いたします。
①【不動産を物理的に分割する方法】
対象物件が土地である場合に、その土地を共有持分ごとに分割する方法です。分割された土地はそれぞれが建築基準法上の道路に接道していなければなりません。分割することで不整形地が生じる場合には、経済合理性の観点からおすすめできないことがあります。分割後は完全所有権の不動産として各所有権者が自由に使用収益することができます。
②【不動産を一括売却して代金を分配する方法】
共有者全員の合意のもとで対象物件を一括して第三者に売却する方法です。対象物件の市場性によっては、最も経済合理性が高い方法といえます。売却代金から売却コストを差し引いた後に、共有持分の割合に応じて分配します。
③【依頼者の持分を他の共有者に買い取ってもらう方法】
ひとりの共有者が他の共有持分を取得する代わりに、代金相当額を支払います。代金相当額については、対象物件を一括して売却する際の評価額をベースに持分割合で按分します。他の共有持分を取得する共有者の資金調達力が重要なポイントとなります。
④【依頼者の持分だけを第三者に売却する方法】
他の共有者が一括売却や共有持分買い取りに応じる意思がないときに、依頼者の持分だけを第三者に売却する方法です。自由に使用収益することができない持分のみを買い取るわけですから、一括売却して配分される代金よりも相当安くなる傾向があります。売却先は専門の不動産会社になる場合がほとんどです。