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投資用不動産の経費計上について
収益物件の仕入原価とは
不動産投資には、購入、運用、売却という3つのステージがあり、そのステージごとに投資家が支払うさまざまな支出があります。
それらの支出の中には税務上の経費としてすぐに経費計上できるものと、すぐには経費計上できないものがあります。具体的には、購入時の経費として初年度に全額経費計上できるもの、運用期間中の毎年度ごとに分けて経費処理すべきもの、売却時に一括して経費処理しなければならないものなどです。
【購入時】(※初年度のみ)
経費として認められるもの
① 登録免許税および登記諸費用(初年度に一括して経費算入)
② 不動産取得税(初年度に一括して経費算入)
③ 売買契約書印紙代(初年度に一括して経費算入)
経費として認められないもの
① 仲介手数料
② 売買契約時に精算される固定資産税・都市計画税(売買代金の一部とみなされます)
③ 建物を新築した際の既存建物解体費
【運用時】(※毎年度ごと)
経費として認められるもの
① 建物の減価償却費(毎年定額を必要経費算入)
② 建物を新築した際の既存建物解体費及びその残存帳簿価額(毎年定額を必要経費算入)
③ 固定資産税および都市計画税(単年度ごとに経費算入)
④ 金利(単年度ごとに経費算入)
⑤ 賃貸管理コスト(単年度ごとに経費算入)
⑥ 建物管理コスト(単年度ごとに経費算入)
⑦ 原状回復コスト(単年度ごとに経費算入)
⑧ 小修繕コスト(単年度ごとに経費算入)
⑨ 消費税(翌年度に経費算入)
⑩ 個人事業税または法人事業税(翌年度に経費算入)
⑪ 繰越欠損金(個人の場合は3年間、法人の場合は10年間)
経費として認められないもの
① 元本返済額
② 所得税及び都道府県民税並びに市町村民税
③ 大規模修繕などの資本的支出(ただし、減価償却費として毎年定額を必要経費算入)
【売却時】(※最終年度のみ)
経費として認められるもの(※売却価格に対する仕入原価に該当するもの)
① 建物部分の購入価格残価(運用時に経費算入した減価償却費を控除した金額)
② 土地部分の購入価格
③ 売却時の仲介手数料
④ 売却時の売買契約書印紙代
以上、購入・運用・売却の3つのステージごとに経費計上できる支出をみてまいりました。
最終的には出口戦略である売却のステージで運用期間中の利益を確定することで不動産投資は完結しますが、あらかじめ売却時の土地建物簿価を把握しておくことは投資家にとって不可欠な視点です。この土地建物簿価は仕入原価と言い換えることができ、売却価格から仕入原価を差し引いたものが売却益(課税対象)となります。