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新耐震・旧耐震の見分け方
投資家が注意すべき市場性について

新耐震・旧耐震

日本は地震大国といわれています。歴史的にみてもこれまで幾度もの大地震に見舞われ、多くの人命と財産が失われてきました。そのため、大規模な地震が起こるたびに建築基準法が改正され、建築物の耐震基準が厳しくなってきた経緯があります。
直近では、1978年の宮城県沖地震(震度5)での被害(建物の全半壊7400戸)を踏まえて1981年に建築基準法が改正され、現在の新耐震基準が適用されるようになりました。

新耐震基準の要点

 ・震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷にとどまる
 ・震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊を免れる


新耐震・旧耐震の見分け方
建築基準法が改正されたことで、1981年(昭和56年)6月1日以降に交付される建築確認通知(確認済証)についてはすべて新耐震基準に適合した設計になりました。また、改正前に建築確認通知が下りた旧耐震基準設計であっても、改正後に着工する場合においては建築確認申請を出し直し、新耐震基準に適合させなければ着工できなくなりました。

よくある誤解で、1982年(昭和57年)以降に竣工したものが新耐震建築物であると言われたりするのですが、これは間違いです。1981年(昭和56年)531日までに建築確認が下りて新法施行前に着工した旧耐震建築であっても、工程の遅れなどで1982年に竣工している物件が多々あります。
新耐震・旧耐震の判断ポイントは、建築確認取得・着工ベースであって、建物の竣工ベースではないという点にご注意ください。

特に新法施行日の直後に竣工したとみられる建物の新・旧を見分けるには建物登記簿謄本に記載されている新築年月日だけでは正確に判断できません。必ず建築確認通知書(確認済証)の交付日付を確認してください。建築確認通知書(確認済証)を紛失している場合には、管轄行政窓口(建築指導課など)で記載事項証明書(建築確認通知の交付日などが記載された書類を取得することで確認できます。


旧耐震物件の市場性
当社のお客様からも時々ご相談を受けるのですが、旧耐震基準の物件は投資利回りが高いものが多く、とても魅力的に映るようです。しかし実際に融資を申し込んでみると、現実の厳しさに驚く結果となります。

2018年9月現在において旧耐震建物は新しくても築後37年程度は経過しており、RC構造の法定耐用年数(47年)に照らしても残存期間10年程度しかありません。以前は一部の地銀や信用金庫がこうした旧耐震物件の融資にも積極的で、法定耐用年数から算定される残存期間以上の融資を実行していましたが、最近ではあまり聞かなくなりました。特に都市銀行の評価は厳しく、そもそもの融資期間が最長でもRC構造の経済的耐用年数(40年)となりますので、現実的にはゼロ回答という結果が待っています。
一見すると高利回りで魅力的なのですが、こうした金融機関融資における難しさが市場流動性を阻害する大きな要因となっています。無理をして購入に踏み切ったとしても、運用期間満了後の出口戦略においても同じように融資がつかず、売却の商談が流れてしまうリスクが高いといえるでしょう。

 

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