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DSCR(返済余裕率)の適正数値とは?
市場変動リスクに対応する不動産投資
DSCRとはデット・サービス・カバレッジ・レシオの略称で、金融機関からの借入金(デット)に対してどれだけ返済に余裕があるかを表します。
不動産投資においては、借入金の返済原資は言うまでもなくテナントからの賃料収入です。
空室が増えて稼働率が下がったり賃料相場が下落すれば、賃料収入は減少してしまいますし、もしも想定外の金利上昇局面があれば、最悪の場合にはローン返済が滞ることになります。
DSCRは重要な判断基準
前回のブログでお伝えしましたが、LTV(銀行融資の掛け目)が高いほどレバレッジがかかり、投資効率(エクイティ利回り)が大きくなります。
逆の見方をすると、LTVが高くなればなるほどDSCR(返済余裕率)は低くなってしまうことになります。稼働率の下落や金利上昇などのリスクに対する弾力性が低いということは、デフォルト(債務不履行)の可能性が高くなることを意味するのです。
DSCRは、そのようなリスクに対してどれだけ弾力性があるかを示す指標です。LTVとならび、投資家にとって投資可否の重要な判断材料となりますし、金融機関がその物件にローン貸付をするかどうかの判断基準にもなっています。
健全なDSCR数値の目安
DSCRの値は、不動産投資で一年間に得られる純収入(NOI)を借入金の元利返済額(年額)で割り戻すことで計算します。
例えば100万円の純収入に対して50万円の借入金返済をした場合、DSCRは2.0となります。100万円の純収入に対して100万円の借入金返済をした場合のDSCRは1.0となり、この数字を下回るとローン返済ができずに破綻することになります。
当然ですが、不動産投資には借入金の返済以外にも固定資産税や諸々の管理コストもかかります。突発的な修繕など、予期せぬ支出が必要になることもあるでしょう。DSCR(返済余裕率)には十分な余裕を持たせることがいかに重要であるか、お分かりいただけるかと思います。
投資家に貸付をする金融機関側の見方もまったく同じです。各銀行内に定められたDSCRルールに基づいて貸付を行っていることは言うまでもありません。
一般的な金融機関では、DSCRが1.5以上であれば概ね健全であると評価するようです。
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